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SBIHDのPBR 1倍割れの原因は 5月1日

最近はTOPIX500では約40%の企業がPBRの1倍割れとなっています
一方でアメリカのS&P500採用銘柄では約5%です
このような状況を重く見て、このPBR改善に向けて東証が3/31に要請を出しています

東京証券取引所が「PBR1倍割れ」の企業に対して、 株価水準の具体的な改善策の策定と開示を強く要請!

東京証券取引所は3月31日、東証プライム市場と東証スタンダード市場に上場する約3300社を対象に、株価水準を分析して改善するための具体策を公表するよう要請しました。

 東証の要請のなかでもっとも重要と思われるのが「PBR1倍割れ」の企業に対するスタンスです。

改善要請自体は東証プライム市場と東証スタンダード市場の全上場銘柄が対象となっており、また要請に応じない企業に対する罰則もありませんが、東証が2023年1月30日に公表した「論点整理を踏まえた今後の東証の対応」という資料では、改善策について「継続的にPBRが1倍を割れている会社には、開示を強く要請」という強い言葉を使っています。

これを受けて自社株買いを発表や実施した企業も多く出ています

我がSBIHDも1倍割れをして0.72となっています、しかし今のところPBR改善対策の具体的な発表や実行は:有りません
そこでこのPBR1倍割れの原因について調べてみました


まず下記のグラフを見て下さい

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2020年2月の日経暴落時以外は、何とか1.0以上を維持していましたが2021年の12月にPBR 1倍を大きく割って急落して現在に至っています

この2021年の低下の要因は新生銀行の株を約48%を取得し子会社化によるものです

これは、新生銀行の資産がSBIのバランスシート(BS)に加算されたことで、BPS(1株あたり純資産)が2,480円→3,690円となり1,210円急増しPBRが1.25→0.86と0.39ポイントも大きく下げてしまったのです

この時のSBIHDの株価は3,140円でした、この時のPBR=1.2を維持するためには子会社化により上昇したBPSと同じ4,250円の株価ではければなりませんが、残念ながら株価は一時3,360円まで上昇しましたが現在は2,647円と低迷を継続しています

この時の新生銀行のPBRは0.4でSBIよりはかなり低く、それから株価上昇により徐々に0.52前後まで逆に上昇していますがまだSBIHDに比べると低いです
PBRの低い会社を子会社化したのですから、しかたないと言えばその通りですがそれにしても株価は低すぎます


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東証勧告のPBR=1とするためには株価はBPSと同じ3,657円としなければなりませんが、小生はこの数字は業績から見ても充分可能な数字だとは思っております

最近ではPBRの低い野村のような企業が自社株買いをして株価を上昇させてPBRを改善しようとする会社も有りますが、余程インパクトが無ければこれは成功しません・・・野村もその効果は今のところ出ていません

何故なら自社株買いをする事により、BPSが増えてしまいPBRは下がってしまいます、この上昇したBPS以上に株価が上昇なければなりません
自社株買いの株を消却して初めてその効果が発揮します

SBIHDの場合は過去に何度か自社株買いを実施していますが、この全てにおいて後にCBやストックオプションで市場に放出していますので、CB発行時の株式希薄化懸念による株価低下以上の効果は有りませんでした

結果としてSBIHDの自社株買いは株主還元どころか配当原資を食いつぶし、これに逆行する結果となってしまったのです
賢い投資家はこれを知っているからこそSBIHDの自社株買いに対して反応しなかったのです

小生は今までのような自社株買いは反対です、SBIHDはこのPBR低下の原因を分析して具体的対策を投資家に提示する必要が有ると思っています

自社の良い所ばかりをIRのページを割いて発表も必要ですが、これらの株価低迷を分析して問題点を総括する事も時には必要であります
今のSBIには残念ながらこれが大きく欠けています、これを実施する事により投資家の疑問や懸念を払拭して信頼を得る事になります

結果として機関の株価抑制より勝って買いが進み株価向上になると思っています


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