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転換社債について 1/18

今日はYAHOOの掲示板で転換社債の質問が有ったので回答しました、こちらにもその内容を掲載しておきます

質問投稿

fuj*****さん

どなたかCBについて詳しい方教えて頂けないでしょうか?

2020年7月発行の700億円CBの転換価額2893円を超えて20日以上経ちますが
コールオプション条項に照らし合わせると
現状どの様な状況にあるのか御教授願います。

小生の回答

2025年償還CBの話ですよね

コールオプション権利行使条件は転換価格の130%以上を20営業日連続で維持してSBI側が行使可能となりますので
まだ行使条件は成立していません
転換価格以上だけではコールオプションは成立しません

130%コールオプション権利行使株価
転換価格×1.3=2893×1.3=3760.9円
但し、期末配当が決まれば又転換価格は下がります

現在は転換価格にはかなり前から到達していますが、転換はほとんど進んでいません
コールオプション行使がなければ一般的には転換は償還日直前まではなかなか転換行使されません

ちなみに、2020年償還CBは1年前、2022年償還CBは2年前に130%コールオプション条件が成立して権利行使され繰り上げ償還されてます

追加質問

内容に関しては理解できたのですが、
もっと根本的な質問になるのですが、
権利行使とはどのようなことを意味するのでしょうか?

例えば、株式に強制的に転換することを意味するのでしょうか?
であればどの位の株数が転換されるのでしょうか?


CBについては調べたのですがよくわからなかったので

オプション条項を満足する条件は理解できました。
もっと根本的なCBを償還するとは何を意味するのかを知りたいです。

そもそも我々既存株主にとってCB発行は望ましいものなのでしょうか?
普通に社債発行しておけば良いのにと思ってしまうのですが。
また、償還条件を満足しなければ、お金で返済するのでしょうか?

どうかよろしくお願いします。

小生の回答

>オプション条項を満足する条件は理解できました。
>もっと根本的なCBを償還するとは何を意味するのかを知りたいです。

償還とは債務を返還する事ですよね
よって、CBの償還とは決められた利息を付けて元本を償還日に返還すると言う事です
しかし、SBIの2025年満期CBは元本(投資金)に対する金利(クーポン)は零です
これをゼロクーポンと言います
よって転換株価に達していても償還日まで権利行使をして株式に転換しなければ、投資金を元本のまま返却すると言う事です  
実際には元本100円に対して102.5円の払込みですので、2.5円分の損益(オーバーパー)となります

CBの投資家にとってはこれではメリットが無いので当然、転換価格で株式に転換します
これを投資家側の権利行使と言います
当然ですが転換価格は投資時点での株価に対して110~120%高(アップ率10~20%)に設定されますので償還日前までに権利行使した方がメリットが有るために株式に全て転換されます

CBには金利が付く場合も有りますが、今回は金利は零なのでその代わりにプレミアムとしてCB発行時株式より高い転換株価になれば株式に転換する権利を付けているのが特徴です

CB発行するSBI側の最大メリットは権利行使されれば新株発行で返還金を伴わないでファイナンスが出来るためキャッシュフローが改善出来る事です
逆に株主にとっては、株式の希薄化となり一株価値の低下となるためにデメリットとなります

すなわち、CB発行は株式の犠牲によるファイナンスなのです
過去にCBを連発したSBIは株券印刷会社とここの掲示板でもさかんに揶揄されています

普通社債は金利を伴うファイナンスで返済義務は当然SBIなので負債も増えますので会社側としては、普通社債よりCBを発行した方がメリットは有るのです
ファイナンスをするのなら株主の負担を伴うCBは止めてもらいたものですね

>そもそも我々既存株主にとってCB発行は望ましいものなのでしょうか?

上記記載の通り株主にとっては望ましくないです
しかし、これは短期、中期の株主で長期投資家にとっては一概にそうとも言えません
何故ならば、SBIの過去の発行CBの全てにおいて、CB発行直後は株価は低迷しますが、CB償還期限までには転換株価は必ず越えています
言い換えれば、償還期限までホールドする覚悟が有れば儲かると言う事です
2025年償還CBはすでに転換価格を越えていますが、それよりも前に償還満期を迎える2023年CBは転換価格は3419円ですので、償還日までには3419円以上に確実に騰がると言うことですかね  今でもまだ利益はあげられる?

>普通に社債発行しておけば良いのにと思ってしまうのですが。

普通社債は昨年も発行していますが、これの連発は負債が増え、キャッシュフローも改善しませんので時々CBを発行していると思います
2020年以降は発行していませんが、そろそろかなとも思っていますが、さてどうでしょうかね

>また、償還条件を満足しなければ、お金で返済するのでしょうか?

償還条件は満期日です、転換価格以下でも元本の現金で償還されます
転換価格以上でも権利行使しなければ同じく償還されます

権利行使に関する質問が有りましたが
上記にも書きましたが権利行使には投資家側とSBI側に有ります
投資家側は転換株価以上になれば例え転換株価より高い時でも、転換株価で株式に転換できる権利
SBI側は転換株価の130%以上で20営業日継続すれば元本で繰り上げ償還出来る権利
但し、これはSBIにとっては金利は無いと言ってもキャッシュ返済が伴いますので、あまりメリットが有りません
本当の狙いは転換株価より30%も高いのだから早く株式転換させて資本に組入れたいと言うのが本音でしょう

一部訂正しますの小生の投稿


→正解です
転換株価で株式に転換できる権利

→誤りです
CB条件決定時の株価(今回の場合は2427円)で株式に転換できる権利

保有していてもCB自体も株価が上昇するとそれにより価値が上がる事(CB自体を売買する)、ヘッジを兼ねて空売する事などによる保有するメリットの方が大きいと言うことでしょうかね

小生の調べた限りでは野村さんが潜在株式を26,113,585株相当と一番保有しています・・・そして空売りも2,173,978株と一番多いですね

以上

CBの詳しい説明とSBI発行の2025満期CBについても解説していたサイトが有りましたので紹介します

転換社債(CB)の仕組み・特徴・ポイントを分かりやすく説明
2021年12月15日

https://finance-gfp.com/#st-toc-h-3

解説の抜粋

SBIHD(8473)の転換社債(CB)【オーバーパー発行でマイナス利回り】
ゼロ金利かつクレジット環境も良好な時に発行される転換社債(CB)は実質マイナス利回りのものがあります。

2020年7月に発行されたSBIホールディングス(8473)の転換社債(CB)の例です。

【SBIホールディングス2025年満期ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債】

発行日:2020/7/27
償還日:2025/7/25
転換価格:2,913円(条件決定日の株価は2,427円、アップ率20%)
クーポン:0%
転換社債(CB)の発行価格:102.75円(償還は額面100円)
払込金額:100.25円(発行価格との差は証券会社の手数料等)
投資家から見た場合、発行価格は102.75円で償還は100円です。

いわゆる「オーバーパー発行」です。

株価が上昇すれば大きな利益を得る可能性がありますが、株価が上昇しなかった場合はマイナス利回りとなります。

「ダウンサイドリスク限定、アップサイド無限大」のパターンになっています。

発行体(SBIHD)から見た場合、払込みは100.25円で償還が100円となります。

また、株価が上昇すれば株式への転換が進み、償還する必要はありません。
株価が上昇せず償還となった場合も、マイナス金利での借り入れができたということになります。

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コメント 2

Nick

ありがとうございます。
何時も、ホルダーにとって役に立つ多彩な情報をありがとうございます。
取引高も少し増加してきており、更なる個人のホルダーが増加すれば、更なる上昇が期待できそうですね。
by Nick (2022-01-20 06:09) 

mastaf

CBの件はっきり理解できました。有難うございます。
by mastaf (2022-05-10 22:28) 

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